2015年3月16日月曜日

598.「2015年 中国の真実」 宮崎正弘、 石 平

新華社通信によれば、2014年5月下旬に北京で400万元で買ったマンションが6月には350万元に落ちたそうです。
人民日報によれば、中心都市の不動産価格はすでに下落を始め、さらに下がるそうです。

不動産価格は2013年に比べ4割下落し、販売件数も4割下がっています。香港のエコノミスト郎氏は、「ローンを組んだ人は99%破産する。」と予言しています。

シャドーバンキング総額は、社会科学院の調査で324兆円。これが不良債権化したらそれこそ破綻しかねない。

そんな経済状況のなか、習近平は次々と上海派閥(江沢民派)を粛清しています。習近平が経済権益確保に動いていると思っていましたが、共青団(胡錦濤派)が軍事局と政治局を制圧しており、胡錦濤が江沢民に虐げられた意趣返しを習近平にやらせているとの見方もあるようです。

バブルが崩壊すると、弾圧されている民族や奴隷のように使われている農民工が叛乱を起こします。それを交わすために一番手っ取り早い方法は、他国と戦争を起こすこと。中国の一番の仮想敵国は日本です。著者が主張するように憲法改正と防衛力強化がその抑止力になるように思えます。今や軍事力強化は、他国を侵略する目的ではなく(現在の日本が他国を侵略しても利益はない)、侵略されないように必要と思いました。