2015年3月27日金曜日

606.「物語のおわり」湊 かなえ

8つの短篇集からなる作品です。

1編目の「空の彼方」を読み終えたとき、何だか素人っぽい文体で、終わり方も中途半端だなと感じました。著者はもうネタ切れになってしまったのかと思い、読むのを辞めようとしました。

とりあえず、2編目を読み始めて驚きました。1編目がその後の全短編に繋がる布石となったいたからです。

1編目の短編小説が、思い悩んでる人の立場によって、受け取り方や感じ方が変わる。そんなことは、確かにありますが、一人の人間である以上、それを体験することは難しいです。

それを北海道を舞台に手渡しされていく短編によって、様々な人たちの感じ方や、物事の見方の変化を体験させてくれる奥深い作品です。