2015年4月10日金曜日

616.「機龍警察 自爆条項〈下〉」月村了衛

IRAの過激分子IRFに志願したライザは、シリアのテロリスト要請キャンプで訓練を受けます(こんなキャンプ実際にあるのかな?)。実践さながらの訓練で訓練生が次々死亡していくなか、ライザは頭角を表します。

ライザは、ダブリンに戻った後、IRFの指導者キリアンの懐刀として、キリアンの敵対者を次々と暗殺していくうちに、「死神」と称されるようになります。しかし、悲劇が起こり、ライザはIRFから逃亡します。

逃亡の果て、日本警察の傭兵となったライザは、キリアンが企てるイギリス高官暗殺テロを阻止すべく、キリアンと対峙します。しかし、キリアンの本当の目的は別のところにありました。

憎しみが生むテロの連鎖、キリアンと沖津の策士同士のせめぎ合いが激しく交錯します。東京を舞台としたテロ戦は、その可能性や危険性を予感させます。重厚かつ深淵なミステリ小説です。