タイトルは、被害少女の兄の言葉です。兄は苦しみながらもこの言葉の心境にたどり着きました。出版当時は、まだ、加害少女からの謝罪はなかったようです。
著者は、被害者の父親である毎日新聞佐世保支局長の直属の部下です。被害者と親しい者という立場と新聞記者という立場の狭間で動揺しながらも、報道せざるを得なかった心情が赤裸々に描かれています。
加害少女の殺害動機は複数で交換していた日記で加害少女から記載を窘められたことをキッカケにエスカレートしたようです。当時の加害少女の様子から自分の行いを反省しているかわかりませんでした。人を殺めた人間は反省しないのではないかと思います。そういった人間性だから殺めることに躊躇がなかったとも言えます。
被害少女の父は、妻を闘病の末に亡くし、娘を友人に殺されました。その影響から高校に入ったばかりの息子も通学できなくなり退学を余儀なくされました。その心情を思うと胸が押しつぶされるようです。