著者は学者であるため、理論に沿って説明されています。そのため、理論上は正しくても、必ずしも現実的でないと感じられる部分もありました。
しかし、労働に関する様々な局面に関する概念を掴むためには、わかりやすい書です。
例えば、給与を上げるための方策が表されています。そのためには、労働時間を延ばすか、労働効率を上げるかということがすぐに思いつきます。しかし、これらは、結局、労働者間の仕事に奪い合いに過ぎないと言っています。
歩合給などのリスクを採るか、雇う側にまわることが本質的な解決策としています。これもそんなに単純で簡単な方法ではありませんが、概念的には正しいように思える分かりやすい内容です。