2015年8月25日火曜日

708.「ルポ 中年童貞」 中村淳彦

世の中に30代、40代の童貞がこんなにいるとは思いませんでした。

かつて日本で普通だったお見合いの仕組みが殆どなくなり、結婚が自由恋愛に任されるようになったことが、一つの原因のようです。

学生時代は、運動ができた人やヤンキーがもてて童貞を喪失しますが、それ以外の普通の男性はなかなか機会に恵まれません。そして、大学進学や就職に失敗すると、童貞をこじらせてしまい、30代、40代になっても童貞のままとなるケースが多いようです。

童貞をこじらせてしまうと、それを正当化して、童貞を守ってしまうようです。
「実物の女性は、毛穴があって気持ちが悪い。」
「女性とは出来ないから、男性と性行為をする。」
「童貞でなくなると、処女の美少女と結ばれなくなる。」
「自分の中では、すでに好きな人と結ばれている。」
といった思い込みの世界に入っていきます。

中年童貞は、女性と性体験がなかった奥手の人という単純な話ではないようです。童貞ゆえに女性に異常な高潔さを求め、自分の思考と言動が気味が悪いことに気づかず、周囲と人間関係が築けないで、職場などで悪影響を及ぼすとなるケースもあるようです。

中年童貞は、単に婚姻率の問題に限らず、イジメ、ストーカー、離職といった社会問題の原因ともなるおそれがあるようです。