2015年9月16日水曜日

722.「ISISイスラム国 残虐支配の真実」 大高 未貴

ISISだけに限定せず、イスラム教徒が多い国の現状をレポートしています。具体的には、ISIS、イスラエル・パレスチナ、アフガニスタン、パキスタン、イラン、サウジアラビア、イエメン、エジプトです。

共通している点は、男は収入のために戦闘に赴き、女の人権は奪われて強姦、多産や監禁され、子供は教育の場がなく臓器摘出されたり、奴隷、兵士、売春婦にされてしまうことです。

基本的には、これらの国の人々は斬首といった残虐行為に慣れているようです。開祖自身がジハードの名の下に敵を斬首したり、戦利品として女性たちを性奴隷にしていたからだそうです。ISISの残虐行為は、これら1400年前の行為と何ら変わらないようです。ただ、その行為がSNSによって全世界に放送されるようになったことにより、際立っています。

一番印象に残ったのは、イスラエルの25歳のウエイトレスが当然のように語った
「本当の平和が欲しければ、戦争の準備を怠るな。」
というイスラエルの諺です。
常に他国からの侵略に脅かされている国ならではの、実体験に基づく格言です。

難しい問題が分かりやすく書かれていて読みやすいです。ただし、民族や宗教が入り組んでいるので、徐々に混乱していきます。それほど、複雑な問題だといえます。