2015年11月10日火曜日

758.「戦後七〇年 国家の岐路―――論戦」 櫻井 よしこ

2014年8月から2015年7月までの1年間に著者が雑誌等で発表したコラムをまとめた一冊です。

集団的自衛権と憲法9条の関係について、日本大学教授の百地章さんの見解がとても明快で、これまで不明な点がクリアになりました。
「国際法が各国憲法の優位にあるのですから、日本国憲法にわが国には集団的自衛権がある、あるいは行使できるなど書いていなくても、権利はあり、行使できるのです。」

この「国際法が各国憲法の優位にある」という大原則を前提においていないため、思考がまとまらなかったのです。つまり、国際法を憲法と同格か、下に置いてしまうので、憲法に書かれていない集団的自衛権が行使できるかどうか、悩んでしまっていました。

しかし、国際法は憲法の上位にあると考えます(同列という考えもある)。そうすると、集団的自衛権は国際法である国連憲章51条で認められており、それゆえ、憲法に明記する必要がないのです。だから、憲法9条を使って集団的自衛権をどう読み解くか悩む必要はなく、そもそも、日本が保有している権利だそうです。

この1年間の話題の中心は、朝日新聞の捏造事件と集団的自衛権でした。