2015年11月15日日曜日

762.「お役所仕事の大東亜戦争」 倉山 満

1906年の第一次西園寺内閣から1945年までの鈴木内閣までの歴代内閣の内情と、戦争に突入していった経緯が詳細に描かれています。

非常に多くの文献を検証しながら、それを分かりやすいように軽妙なタッチで表現しています。

読み終わっても、タイトルの「お役所仕事」という指摘があまりピント来ませんでした。よく言われている「軍部」という統一の意思により戦争に巻き込まれたというのではなく、その時その時の人事や内閣の選択ミスで戦争せざるを得なくなってしまったという印象です。

昭和天皇の戦争責任を問う人もいますが、実際には昭和天皇にそのような権原はありませんでした。逆に、昭和天皇に戦争を決定する権原があれば、その慧眼を持ってして戦争することはなかったと思います。