2016年2月2日火曜日

841.「俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方」 坂本 孝

著者の坂本さんは、「俺のイタリアン」などを経営する俺の株式会社の社長です。
ブック・オフを50歳で創業し、会長を退任後、69歳の時に俺のイタリアンを開店しました。
これまでに13の事業を起こし、3勝10敗だそうです。

俺のイタリアンのコンセプトは、開業当時、不景気にも関わらず繁盛していた、立ち飲み居酒屋と、ミシュランの星付きレストランを合体させたものだそうです。単純だけどなかなか思いつかないアイデアです。

高級レストランの原価率は平均18%ですが、「俺の・・・」はよい材料を使い原価率を60%としています。これでは儲からないのでは?と思いますが、かなり利益を上げています。
その秘密は「回転率」。
高級レストランが0.75位しか顧客が回転しないのに対し、「俺の・・・」では4回転もさせることで驚くほど儲かるそうです。

さらに、「俺の・・・」には、一流レストランで働いていた料理人が沢山います。それは、自由に腕を振るえることはもちろん、著者が稲盛和夫さんの「盛和塾」で学んだ「利他の心」に社員が心酔しているからではないでしょうか。

グローバル化で企業が社員の給与を削り、非正規雇用で流動化を進める中、給与を上げて社員を大切にすることで、業績を急拡大させている俺の株式会社は、デフレ打開のモデル企業となれるのではないでしょうか。