2016年2月17日水曜日

856.「引き算する勇気 ―会社を強くする逆転発想」 岩崎 邦彦

機能、商品、事業を絞れば、魅力が増して売上が上がるという内容です。

機能を絞れば魅力が上がるというのは、色々な料理がある食堂よりもラーメン専門店の方がラーメンが美味しそうに感じるという点で、一理あるかもしれません。

しかし、商品を絞ったコンビニ、100円ショップ、ドン・キホーテは単なる雑貨店となり、魅力を失うのではないでしょうか。

引き算の好例としてCoCo壱番屋は最初は喫茶店だったが、カレーが人気だったのでカレーに絞って大成功したと云います。しかし、最初に喫茶店にカレーを足し算したから、カレーに人気が出たはずです。

思うに、中小零細企業は何がヒットするかわからないので、まず足し算してみて成功したのだけ残すという試行錯誤があるのではないでしょうか。引き算できるものが足されていなければ、そもそも引き算できません。

独自のアンケート結果で主張を裏付けしていますが、2つの質問に著者が主張する回答を応えて、両方とも「好業績である」となるパーセンテージが低すぎて、根拠にならないと思いました。

まず、著者の仮説があって、それを裏付ける事例を調査結果が作為的に付されているようで、この仮説をそのまま信じることが難しいと思いました。