2016年12月5日月曜日

1056.「人種戦争――レイス・ウォー――太平洋戦争 もう一つの真実」 ジェラルド・ホーン、 加瀬 英明

白人側から見た大東亜戦争です。

「白人の優位」の世界が有色人種の日本人によって崩されていく恐怖。

特に中国、東南アジア、オーストラリアといった英国の占領国が日本に奪われていき、白人と有色人種の地位がひっくり返されます。白人は奴隷のように扱われ、そのプライドは地に落ち、人格が破壊され、日本人に服従していきます。

その姿を見た他の有色人種は、それまでの有色人種は劣等民族で白人に支配されるのが当然という固定概念から解放されていきます。

大東亜戦争では、中国国民党との戦闘は別ですが、それ以外の国では現地人と戦ったのではなく、現地を占領していた英国人と戦ったのです。これまで信じていた日本対中国の対立構造が、有色人種対白人の構造に書き換えられました。

日本が第一次世界大戦のパリ講和会議で人種差別を撤廃することを国際連合規約に盛り込むことを提案したときに、強く反対したのはアメリカ、大英帝国、オーストラリアの人種差別国です。

日本が有色人種の解放のために欧米と戦ったというのは、建前だと思いますが、結果として有色人種の白人コンプレックスを払拭し、白人に抵抗する勇気を与え、現在の独立国を築くキッカケとなったことは間違いないと思います。