2017年1月20日金曜日

1083.「結論を言おう、日本人にMBAはいらない」 遠藤 功

日本人MBAホルダーやMBAを目指す人にとって、衝撃の書です。

根拠なく不安を掻き立てて注目を集める本ではなく、実体験に裏付けられた内容です。

著者は自らがMBAホルダーであり、早稲田大学ビジネススクールの教授を務め、スクールの責任者でもありました。

その理由は、
1.ほとんどの日本企業は、MBAの価値を認めていない
2.日本のMBAの「質」が低すぎる
ということです。

慶応ビジネススクールが2009年に卒業生を対象に行ったアンケート調査によると、
「MBAの取得は卒業後どのようなメリットをもたらしましたか?」
という質問に対して、
「取得していない場合と比べて収入が増加した」
と答えた人の割合は、10項目の設問中、最下位だったそうです。

それでも、実際にMBAを取得して収入が増加したという話も聞きます。ただ、よくよく見てみるとたいていは外資系企業です。そういう人達は、KBS、WBS、一橋、神戸などのビジネススクールを出たうちの50人程度がせいぜいで、MBAを取得する年間5000人のうちの1%程度とのことです。

これ以外にも色々と刺激的な内容でこれを読んだらMBAに行く気が失せるだろうなと思いました。

その一方で、MBAに頼らない実力の伸ばし方も書かれており、とても勉強になりました。