2017年2月27日月曜日

1109.「富国と強兵」 中野 剛志


638ページの超大作です。

最近流行りの地政学に対し、地政学だけでは問題を理解できないとして、地政学に経済学を組み合わせた「地政経済学」、つまり、「富国」と「強兵」を提言しています。

著者は、2017年2月の時点で特許庁に勤務されており、法制度改正やTPPへの対応をされておりました。法制度説明会で何度かお見かけして、握手していただきました。

もともとTPPには反対されていたのですが、TPPを推進する役割となり、葛藤もあられたと思います。また、法制度改正は様々な部署との調整もあり激務であったと思われます。

そんな環境下で、よくぞここまでの超大作を書ききったものだと感嘆せざるを得ません。

財務省官僚でありながら、客観的かつ間接的に財務省のこれまでの政策を真っ向から批判している点は、抑圧された環境の中での面目躍如という気がします。

数年後に、本書が新しい学説「地政経済学」を打ち立てたと、世界で語られる予感がする名著です。