2018年2月22日木曜日

1184.「ふたご」 藤崎 彩織(SEKAI NO OWARI)

SEKAI NO OWARI」のSaoriさんは好きですが、タレントさんが書いた小説なのでネームバリューで出版され、文章も拙いのだろうと思いながら読み始めました。

ところが、1ページ目から、「あれっ、普通に小説だぞ」。
それどころか、描写も流れもキチンとした小説で、下手な小説家よりも上手い。

読み進めていくと「お前の居場所は、俺が作るから。」とか、聞いたことがあるエピソードが増えていきます。

そう、この本は、前から知りたかった「SEKAI NO OWARI」の誕生秘話のようです。ノンフィクションではありませんが、実話を基にして書かれているとのことです。

14歳で月島(Fukase?)に恋をした西山(Saori?)の満たされない愛情や性欲が赤裸々に語られています。

子供の頃から一風変わった子だった月島が自分を見失い高校を辞め、米国留学に失敗し、精神病院に入院した経緯まで書かれています。

似たもの同士で一心同体ゆえに、異性として愛し合えない辛さと切なさが書き込まれた素晴らしい小説です。