2018年4月4日水曜日

1202.「プーチンとロシア人」 木村 汎

ロシア人は私達が思う以上に臆病で劣等感を抱き自信を欠いているそうです。それを気づかれまいとして、逆に攻撃的に見える行動に出ます。

交渉においては、「友情」とか「善意」が大した役割を演じません。そして、「ギブアンドテイク」の考えを拒否しがちです。さらに、実質的な合意に達しても、正式書類に調印するまでは土壇場でも合意をひっくり返します。

この性質から、ロシア人の行動が読めてきます。日本が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を導入すると、千島列島に地対艦ミサイルを配備します。

「ウラジミール」と微笑みかけて、北方領土に経済特区を提供しても見返りはないでしょう。

元々、地政学的に見てロシアは不凍港が生命線です。そのために、大西洋に自由に出られるクリミア半島を占領しました。そう考えると、太平洋に自由に出られる北方領土を返還するとは思えません。

ロシアが妥協するときは、それ以外に全く選択肢がないときです。その意味でソ連崩壊が北方領土返還の最大のチャンスでした。あの規模の出来事がないと、北方領土返還は難しいと思いました。