六冠を獲得し、史上初の七冠制覇を狙う天才棋士・壬生芳樹。
実業界から転身し、特例でプロ棋士になったエリート棋士・上条桂介。
2人は竜昇戦で対局し、一歩も譲らずに勝負の行方は第七局の最終戦に持ち込まれました。
その2人の対局を2人の刑事が解説会場で見つめます。
刑事達は、山中で発見された白骨遺体の事件を負っていました。遺体の胸には、時価600万円を下らないと言われる初代菊水月作の将棋駒が抱かれていました。
将棋が大きなテーマとなるミステリー小説ですが、将棋を知らなくても充分に楽しめます。
1人の人間が生まれながらにして背負ってしまった業にあらがいながら生きていく姿に心動かされます。