UberとAirbnbの創業から2016年頃までの物語です。
2社を取り上げているので、2社のエピソードをもとに著者の分析が語られるのかと思いきや、全く違いました。
2社の歴史が時系列で交互に丸々語られています。それぞれの会社の話で、充分2冊になる内容を1冊に濃縮しています。読んでいると、登場人物が混乱していきます。面白いのですが、読み手に結構な負担を与えます。
2社とも素晴らしいビジネスプランや売上予測があったわけではなく、単に創業者が不便と感じたことを解決しようとして始めたに過ぎませんでした。すでに先行する会社もあり、周囲は誰も成功するとは思わず、やっていた自分たちもこんなに成功するとは思っていませんでした。
そうすると、起業には立派なビジネスプランは必要ないように思えます。
ただ、それまで世の中になかったビジネスにはなかっただけの理由があります。それは、規制があるために事業化ができなかったということです。2社とも規制に苦しめられ、何度も何度も訴訟などで争い、ギリギリで勝ってきました。
今や大企業となった2社ですが、この物語はまだ終わっていません。突然、新たな法律でひっくり返されたり、技術革新により新たな競合が現れる可能性があるからです。
起業の面白さや、苦しさがよくわかる本です。