1972年に公開された映画ですが、全く色あせていません。
現代でも過去を舞台にした映画はあるので、今この映画を撮ったとしても、同じ位の映像になるのではないかと思うほど、クォリティが高いです。
舞台となった1945年当時のイタリア社会がよく分かります。移民としてアメリカで生き抜くためにゴッドファーザー(名付け親)としてメンバーを守り抜く結束が非常に固いです。
印象的だったのは、飲まれている酒はビールやウイスキーではなく、専ら赤ワイン。それをピッチャーから注いで飲むというのは、イタリア系の特徴でしょうか。
殺人を犯したマイケルは一族の故郷であるイタリアのシチリア島に雲隠れするのですが、アメリカ育ちのイタリア人とシチリア島民では言語も風俗も異なってしまっている点が興味深いです。
ドン・コルレオーネの後を継ぐはずだった長男のソニーは直情型で、まんまと敵の罠にハマります。
マフィアに入ることを避けていたマイケルは大人しい正確ながら思慮深く、いざとなったら殺人も躊躇しないという、ドンとして必須の能力を持っていたこと明らかになります。その能力が開花して、組織のボスにのし上がっていく姿が恐ろしいです。