2018年5月7日月曜日

1220.「マルドゥック・アノニマス3 」 冲方丁

マルドゥック・アノニマスの最終巻。アノニマスは、SFというより、ギャング小説、人間ドラマといった感が強いです。そのため、ベロシティ、スクランブルと比べてスリリングさに欠けます。

イースターズオフィスの強化人間が3人と1頭なのに対し、クインテットは58人と11頭と圧倒的に不利。そうなると、直接対決というより策謀で対抗していくしかないので、地味な内容です。

局地戦では勝っても、大局でジリジリ押されていくので読んでいてスッキリせず、鬱屈していきます。

先のない顛末に向かっていくところ、最後の最後でどんでん返しが・・・

エンディングで、「これを待ってたんだよ!」とやっと心踊らせることができ、希望が持てる終わり方で、少しスッキリしました。