デパートの外商を舞台にしたイヤミス(嫌なミステリー)です。
外商とは、店舗で販売するのではなくお得意様に直接出向いて商品を売る仕事です。
本書では、外商担当者はお得意様の要望にNOと言わず、何でも応えていきます。
そのお得意様はお金は持っているものの、感覚が世間の常識からはずれています。
その狂った要望に応えながらも、最後は結局売り上げに繋げているところが面白いです。
短編を連ねた連作ですが、それぞれの登場人物が絶妙に関係しているところが、著者にとっては大変でしょうが、話に深みをもたせています。