2013年4月15日月曜日

65.「ビジネスで失敗する人の10の法則 」 ドナルド・R・キーオ

著者はコカ・コーラ社の社長として12年間同社を経営していました。本書は非常に奥深く、味わい深い本です。小手先の経営戦略ではなく、経営哲学を語っています。

「提供した情報がわずか5種類のときより、40種類のときの方が、予想成績が悪かった。じつにさまざまな状況で情報が少ない方がよいというのは、事実だ。」

通常の概念を覆す言葉です。ともすればたくさんの情報を集めることに注力し決断を下すのが遅くなりがちですが、情報収集よりも少ない情報で考えることの重要性を語っています。

「わたしは、マーケティングと経営に関する研究には、極端に警戒するようになっている。もちろん、研究にはそれなりの価値あるのだが、不適切な変数を計測していることが多いし、計測した結果を評価しているのが不適切な人であることが多いと確信しているからだ。」

マーケティングと経営に関する研究を盲信してしまいがちですが、権威の割には実体に即していないようです。鵜呑みにせず、追いかけ過ぎないように自戒すべきと思いました。

著者は、成功の法則を上げることは難しいが、失敗の法則なら上げられるとして本書を書きました。誠実な告白であり、信頼おける内容と感じます。