2013年10月26日土曜日

156.「僕は人生を巻き戻す」 テリー マーフィー

エドは、強迫性神経症を発症し、時間の進行を止めるために
自分が行った行動をビデオの逆回転のように反対に行う。
しかも、一度や二度ではなく何千回も。
さらに夜には昼間の行動を頭の中でリプレイスする。
時間を止めることで、自分の大切な人が死なないように。

発症の要因は、子供の頃に見た母の死に際と
ジャムのビンを開けっ放しにして父に殴られたこと。
本当に20年も前の事件が長い年月を経て、強迫性神経症を引き起こすのだろうか。

それにしてもその行動はすさまじい、
地下室にひきこもって、尿はペットボトル、便はジップロックに保管する。
シャワーも浴びないので、シーツは体液で湿り気を帯びた緑色に変色している。

そんな暗闇のなか、マイケル医師の涙で立ち直るきっかけを得て、
マヤダの愛で強迫性神経症をコントロールできるようになる。

強迫性神経症は完治しないとのことだが、克服の要因は本人の強い意思と、
本人に治りたいと思わせる周囲の愛情だと思った。