2013年12月10日火曜日

194.「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」 リンダ・グラットン

評判がよいので期待していましたが、私には響きませんでした。

2025年の働き方を説明するために、2部を使って、当たるかどうかわからない、安いSFのような文章が永遠に続きます。

結局は、訳者あとがきに書かれている解説が一番シンプルで分かりやすかったです。

<第1のシフト>
一つの企業でしか通用しない技能で満足せず、高度な専門技能を磨き、ほかの多くの人たちから自分を差別化するために「自分ブランド」を築くこと

<第2のシフト>

難しい課題に取り組むうえで頼りになる少人数の盟友グループと、イノベーションの原泉となるバラエティに富んだ大勢の知り合いのネットワーク、そして、ストレスを和らげるための打算のない人間関係という3種類の人的ネットワークをはぐくむこと

<第3のシフト>

大量消費主義を脱却し、家庭、趣味、社会貢献などの面で充実した創造的経験をすることを重んじる生き方に転換すること

えっ・・・・・・ つまり、①専門技能を磨き、②人脈を創って、③仕事以外の面も充実させるってことなの?


それって、よく言われてますよね。その結論を導き出すために、383ページを費やして、2025年のシナリオを書くことが必要だったの?

この3つができれば、エネルギー問題に対応し、スラムから抜け出せるのだろうか?
そもそも、スラムに生まれついたら、この3つは実行できないでしょう。

要するに、緩やかに衰退している先進国に生まれついた人達が人生に失望しないで生きていくための働き方の本に読めました。