2014年1月7日火曜日

214.「64(ロクヨン) 」横山 秀夫

647ページの超大作。昭和64年に起こった少女誘拐事件をもとに、その14年後の
D県警察内の暗闘を描いています。

登場人物一人一人の性格、経歴、悩み、希望がしっかりと書き込まれています。単一の事件を扱った内容ではなく、事件を中心に置いた複層的な人間ドラマです。

組織内の派閥争い、出世競争、夫婦関係、子供との葛藤など、人が生きていく上で遭遇する様々な欲望や悩みが、非常に現実的で自分の人生に引き寄せられて考えさせられました。

過去の誘拐事件事態も予想できない展開で話がすすみ、結末を迎えます。とても重厚で心に残る作品でした。