2014年1月12日日曜日

219.「虚の王」馳 星周

ヤクザを殺して少年院に入った隆弘は、そこで精神的に屈服させられ出所します。報復を恐れたためにかつて自分が叩きのめした紫原の手下となり、渋谷で覚醒剤の売人となります。

隆弘は、高校生ながら高校生売春組織を束ねる栄治に巡り会います。栄治の空虚な毒に蝕まれた隆弘は一気に破滅への道を突き進んで行きます。

最後まで一気に読み進めました。
しかし、物語が単一で複層感がありません。出来事が一直線上に次々起こっていきます。

一つの街の暗闘をテーマにした「不夜城」、
サイコをテーマにした「悪の経典」、
少年院での精神崩壊を描いた「空白の叫び」、
と比べると、少し物足りなかったです。