2014年1月25日土曜日

232.「図書館危機」 有川 浩

図書館戦争シリーズ第3弾。
3作目にしても内容が薄まることなく、筆力が落ちていません。

郁の想いも、6年前に自分を助けてくれた王子様から堂上へと徐々にですが、確実に移っていきます。
手塚も本人に自覚がないまま、柴崎への想いを募らせながら、全てを打ち明けてくれない柴崎の態度に苛立ちを抱きます。

図書隊を創設し、これまで率いてきた稲嶺司令官も本巻で退任です。稲嶺司令官のモデルは、俳優の児玉清さんだそうで、映画版の「図書館戦争」では、児玉さんがすでに亡くなっており、児玉さん以外のキャスティングは考えられないとして、稲嶺の役がありません。

第4作では、稲嶺が去った後の図書隊内での原則派と行政派のバランスの乱れや、本作で2つも汚点を残した良化特務機関の逆襲が気になります。
これが完結編となります。