2014年8月10日日曜日

434.「ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護」 池上 正樹

M君というので、高校生位の話かと思って読み始めましたが、驚いたことに45歳男性の話でした。彼は、70歳の母と二人暮しでした。ひきこもりは、非常に高齢化が進んでいます。

いじめと父親のネグレクトがM君の精神を破壊しました。

ひきこもりの人の精神状況がよく描かれています。興奮と失望が交錯し、突如パニック状態に陥ります。

少し良くなったかと思うと前より悪くなるなど、全く順調に回復しません。周囲はM君に振り回されます。

M君は生活保護を受けて、徐々に生活を立て直していきます。長引くデフレと生活保護の不正受給により、本当に必要な人が保護を受けられなかったり、減額されていきますが、生活保護は本当に大事な制度だとおもいます。

皆が平均して豊かな、一億総中流が実はやさしい社会のように思いました。