2014年9月10日水曜日

465.「そして、メディアは日本を戦争に導いた」 半藤 一利、 保阪 正康

大東亜戦争に突入していく時代のメディアの状況を描いています。

日本は、日清戦争に勝ちましたが三国干渉で遼東半島を返還させられました。

また、日露戦争にも勝ちましたが賠償金は得られませんでした。

このことが日本国民の心に、欧米列強に深い憎しみを抱かせたのではないでしょうか。

日本国民の潜在的な恨みが、非戦論よりも主戦論を好み、交戦論を主張する新聞が売上を伸ばしたように思われます。

非戦論を論じる新聞も、主戦論を論じる新聞も両方あったのですが、非戦論を論じる新聞はどんどん部数を減らしていくので、新聞社は、自己を存続させるために、主戦論に転向します。

そうなると、主戦論の新聞のみになり、主戦論同士の中で売上を伸ばすために、記事内容がエスカレートしていったようです。

国民は、新聞によってさらに煽られ対米戦争へと突入したという一面もあると思います。

メデイアというものにどのように接していくべきか、考えさせられました。