2014年11月19日水曜日

524.「ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ 」 三上 延

第2話は、ブラックジャックの話です。

この漫画界の金字塔とも言える作品は、連載開始当初、5話程度で終わる短編の予定だったことは驚きです。しかも、第1回目は巻頭カラーでなく、告知も地味。殆ど期待されていなかったそうです。

なぜなら、この時期の手塚治虫の人気は下降しつつ合ったからです。自身が経営するアニメプロダクショは倒産し、連載は次々打ち切られ、原稿料もBクラスに落ちていたそうです。しかし、連載後徐々に火が付き、結局200話を超えるまでの長期連載となりました。

手塚は医師免許を持っていたのですが、ペーバードクターでした。そのため、誤った情報に基づく話もあったそうです。そういった話を修正したり、削除してりした結果、ある巻に複数の版が存在するようになりました。本作はロボトミーに関する話を差し替えたために起きた第4巻が謎のキーになっています。

3つの謎をベースに栞子と大輔の恋愛が進みます。
そして、「・・・ここに残るなら気をつけなさい。」という母の言葉と、
「連絡しろ」という田中の伝言がシリーズ後半に向けた謎をほのめかしています。