2014年11月4日火曜日

513.「最後の命」 中村 文則

「私」が帰宅すると、馴染みのデリヘル嬢、エリコが私のベッドの中で強姦され、絞殺されていました。私の家から、幼馴染の冴木の指紋が検出されました。彼は連続婦女暴行事件の指名手配犯でした。

人がどのようにして犯罪者となっていくのか、その過程と心情がとてもよく描かれています。

幼いころの事件をきっかけに同じ体験を持った2人がそれぞれどのように成長していったのか。

狂気の一歩手前まで踏み入った人間と、情欲に囚われ一線を踏み越えた人間のコントラストが鮮やかです。