福島第一原発を舞台とした設定は時期を得ていて感心しました。しかし、整合性がない部分が多いです。
著者の原子力発電に対する見方がかなり否定的のようで悪意を感じました。原発内の状況や東京電力の組織を描写していますが、偏見もあるようでどこまでが事実なのか分かりませんでした。
原子力発電に対する施策側の驕りを全体のテーマにするため、事件を構築し、それを非難するために太陽神であるアポロンの嘲笑と名づけたようですが、すこし思い込みが強いかな・・・
最後の鮮やかなどんでん返しが魅力の著者ですが、本作はそういったことがなく、ミステリーというよりアクション小説でした。