2014年12月15日月曜日

541.「ブランド戦略全書」 田中 洋

私は、「戦略」という言葉があまり好きではありません。具体的に何を意味するのか明確ではないのに、何となくすごく考えぬかれたように思わせる意図が感じられるからです。

本書も例に漏れず、「ブランド戦略」の意味が明確に理解できませんでした

仮にブランドの価値を上げるような計略という意味であれば、この本の内容を正確に表していません。本書は実用書というより学術書です。10人の著者による論文集と考えたほうがよいと思います。そして、一冊を貫く一つの主張はなく、各自の興味にそったバラバラの論説です。

さらに、私に合わないのが、カタカナ英語が多いこと。「ミーニング(意味)」のように記載しますが、それだったら、単に「意味」でよいのではないでしょうか。カタカナ英語を使うことで、自分が英語に堪能なことや、普通の内容を箔付けしようとしているように感じます。

著者達も実際に、実務に携わる方が少なく、学者さんが多いです。ということは、実際にブランドの価値を上げた経験があるわけではなく、誰かがやった手法を分析したり、たまにアドバイスしてそれがうまくいったり、いかなかったりということではないでしょうか・・・

ブランドというものに初めて触れる大学生などには、よい教材だと思いました。