2015年1月27日火曜日

565.「浮雲心霊奇譚 赤眼の理」 神永 学

「心霊探偵八雲」シリーズのルーツを語る小説です。

八雲は右目が赤眼で幽霊が見え、現代で活躍しますが、
浮雲は両目が赤眼で幽霊が見え、江戸時代で活躍します。

浮雲のキャラクターは、ひねくれたところは八雲に似ていますが、全体的には同じ著者の「怪盗探偵山猫」の主人公、山猫に似ています。

話の筋も、心霊探偵八雲に似ていますが、時代小説ゆえに舞台描写が単調となり、八雲の話ほど悲壮感が漂わないため、少し物足りないです。

ただ、面白いことは面白いです。シリーズ化する雰囲気があるので、今後、様々な人間関係も絡まっていき、だんだん深みのある話になると期待しています。