2015年1月29日木曜日

映画「百円の恋」


第一回「松田優作賞」グランプリ作品の映画化です。

32歳の一子(安藤サクラ)は、働いたことがなく、実家にひきこもっていました。
ある日、離婚し、子連れで実家に帰ってきた妹の二三子と殴り合いの激しい喧嘩をし、行きがかり上、家を出ます。手に職もない一子は、夜な夜な買い食いしていた百円ショップで深夜労働にありつき、何とか生活していきます。

生きる目的もなく生活を送る一子は、帰り道にあるボクシングジムで、一人ストイックに練習するボクサー・狩野(新井浩文)を覗き見することが唯一の楽しみとなっていきました。

一子は、狩野のボクシングの試合を見て、ボクシングに惹かれていきます。辛い出来事を振り払うようにボクシングを始め、何かに取り憑かれたようにボクシングに熱中するうちに、一子の中で何かが変わり始めます。

とにかく、安藤サクラさんのボクシングシーンが凄い。最初の猫パンチが本来の姿だったと思いますが、シャドーボクシングのシーンの動きが信じられない位早いです。かなり練習しなければ、あそこまで動けないと思います。役者さんって大変だなと思いました。

人間って、どんな仕事でも働けば、何かに出会い、自分が変わると思えました。ひきこもりで、自信なく、ダラダラ生きていた一子が、ストイックにボクシングに取り組み、泣けるほどに拘りが持てるようになるまでの人間的成長に心打たれました。