2015年3月5日木曜日

591.「月光のスティグマ」中山七里,

書き出しから少しあざといですが読者の関心を引き、どんどん内容に引き込んでいきます。筆力があるので、先が気になり一気に読み進めました。

双子の美人姉妹と幼なじみの主人公が阪神・淡路大震災を経てたどる数奇な運命の物語です。中学生の頃の殺人と政治資金の疑惑の2つの謎が進行します。

ただ、本作は物語の内容に無理が多いと感じました。

小学生の頃に負った「スティグマ」もタイトルを付けるためだけのようであり、あまり本題と関係ありません。

アルジェリアの日本大使館の悲劇も何だかつじつまの合わないのように感じました。

最後の明かされた中学時代の事件も、双子の性格からは非常に不自然でした。