そして、「マーケティングとは、その仕組みを活かして、何らかの新しい目的を達成するための手法」とも定義付けています。
つまり、マーケット感覚はマーケティングを行う前段に位置する全体把握力といったところでしょうか。そのため、この感覚として、ANAの競合を探す例題があります。しかし、これは従来から行われていたことで、取り立てて新しいものではありません。
新しいなと思ったのは、「論理的な思考」の対立軸として「マーケット感覚」を置いたことです。「論理的な思考」を鍛えることが流行している風潮ですが、「論理的に正しいはず策」が現実社会でまったく通用しないという例も少なくないといいます。
難関資格のために多大な時間と学習費用を投入したのに、結果が得られなかったという例例が挙げられています。これは、資格制度の変更などで難関資格の合格者が急増したりする社会環境の変化に要因があります。この変化をマーケット感覚で捉えて行動すべきということです。
ノウハウや知識を覚えるのではなく、過去に経験のない場面に遭遇したときにも、自分で判断できる独自の基準や肌感覚を持つことが大事との主張は、非常に納得できるものであり、刺激になりました。