2015年4月1日水曜日

609.「中国との貿易をやめても、まったく日本は困らない!──中国経済の真実」 三橋貴明

中国は巨大な市場だから乗り遅れるなという声もあります。

しかし、実際には、人口は多くても日本製品を買える人の割合は少ないのではないでしょうか。

これから、中間層が育つからまだまだ成長すると思うかもしれませんが、中間層はまだありません。富裕層か貧困層です。

貧困層を中間層にするには賃金を上げる必要がありますが、そうすると低賃金という最大の魅力が失われ、周辺の他国に資本が逃げていきます。

また、農民は簡単には都市部に移転して都市部で労働することもできないため、貧困のまま留め置かれます。

富裕層は日本製品を中国では買わず日本へ来て買うというのがステータスです。そうなると最早中国で生産する魅力も必要もありません。

2013年度の中国への輸出額は、GDPの2.7%。中国からの輸入額は、GDPの3.1%。そうなると、日本は中国に対し0.4%の貿易赤字です。日本は思った程、中国に依存しておらず、個別の事情はあるでしょうが、全体としては、このGDPが減ったとしても殆ど影響はないでしょう。

中国からの主たる輸入品は食料品ですが、汚染された水、汚れた大気、禁止農薬で作られた食品は国産品に切り替えたほうが、内需拡大や食の安全の観点から利益が多いように思えました。