2015年6月15日月曜日

657.「本当は日本が大好きな中国人」 福島香織

反日教育により、中国国民は日本が嫌いかと一般には思われていますが、そうでもないようです。

尖閣問題で、ジャスコなど日系企業が襲われましたが、日本が嫌いというより、そこで買い物できる中国のプチブルジョア層への出稼ぎ労働者の憎悪だそうです。

中国の人口は約13億人。そのうち利権層で上流階級である共産党員が8,000万人、中間層が4~5億人、下層の農民が7~8億人だそうです。共産主義で労働が一番重要視されているのに農民層が貧困層とはおかしいですね。ちなみに日本で爆買いをしているのは上流層ではなく、中間層で実は転売目的です。

農民工は、国内の格差問題などで溜まった不満のはけ口を日系企業に向けました。なぜなら、ジャスコなどは、自分たちより豊かな都市籍を持つ中間層の象徴であり、反日は国策ゆえにいくら強奪しても罰せられないからです。

しかし、内心には日本の文化に対する共感があるようです。日本食に対する衛生面での信頼や、マンガ、アニメ、AKBといったサブカルの自由な表現への憧れがあるようです。

総じて、文化や経済面で、日本に対する求愛は続きますが、政治面でも反日も激化することでしょう。なぜなら、反日以外に今のところ、人民の求心力を高揚させるものがないからです。