しかし、ロシアはアメリカのペトロダラー体制の崩壊を狙い、超冷戦を仕掛けています。
ロシアが仕掛ける超冷戦の武器は、石油、天然ガス、ウランであり、それを利用可能にする精製設備、パイプライン、そして港湾設備などのインフラストラクチャです。
アメリカ大統領が4年毎の選挙を見て短期の政策を立案するのに対し、プーチンは既に20年以上も政権を維持し、長期の政策で世界のルールを変えようとしています。
例えば、今回のシリアの空爆ですが以下の背景があるようです。
1. ロユーズネフチ・ガス(ロシアのガス会社)は、シリアとガス田開発および生産計画を結んでいる。
2. アサド政権が倒れると安価のカタール産天然ガスがシリア経由で地中海に運ばれる。
3. 新政権がトルコのイスラム過激派と連携するとロシアの安全保障が脅かされる。
4. 内戦が長期化して欲しい。そうするとシリア経由のガスパイプライン建設が遅れ、ロシアへの依存度が高まるうえ、武器も売れる。
プーチンの長期戦略により、ドルの弱体化が謀られてきました。近い将来、突然ペトロダラー体制が崩壊し、新たな基軸通貨が生まれるかもしれません。日本も備えが必要と思いました。