2015年11月21日土曜日

768.「嗤う淑女」 中山 七里

天賦の美女、蒲生美智留によって踊らされる人々の悲劇を描いた5つの短編集です。

野々村恭子はその容姿ゆえに中学校のクラスメイトからイジメを受けていました。そこに従兄弟の美智留が転校してきます。イジメの対象は恭子から美智留に移りますが美智留の計略により解決します。

家庭で虐待を受けていた美智留に強力した恭子は、深い闇の世界に堕ちていきます。そして、弱みを持つ人々を次々に陥れ、2人はすべてを思うままにできたように思われたのですが・・・

著者らしい毒のある作品でした。最後のトリックはデビュー作の「いつまでもショパン」に似ていますが、最後まで面白く読ませる作品でした。