2016年1月4日月曜日

812.「ブラック・デモクラシー 民主主義の罠」 藤井聡、 適菜収

「まっとうな熟議に耐え得ない意見を持つ者」は、何よりもまず「多数決」こそが崇高なるものだと主張しつつ、あらゆるまっとうな議論を封殺しにかかるそうです。

さもなければ、彼の意見が如何にレベルが低く、稚拙で嘘にまみれたものかが、一瞬にしてばれてしまうからです。

そして、以下の4つの振る舞いを忠実に繰り返していれば、デモクラシーを真っ黒なものに仕立て上げ、邪悪なものであろうと何であろうと、政治的正当性を付与することに成功します。
1. 多数決崇拝
2. 詭弁
3. 言論封殺
4. プロバガンダ

大阪都構想の住民選挙において、日本維新の会(当時)は、これを巧妙かつ執拗に行い、当初は大きく離されていた賛成票を、僅差にまで持ち込んだのでした。

1. 多数決崇拝:議会で否決されても、住民投票がすべてと選挙に持ち込む
2. 詭弁:住民投票で勝っても実際には大阪都にはならず、単に大阪市が5つに分割されるだけだった
3. 言論封殺:詭弁を暴いた大阪大学の藤井教授がテレビに出演できないよう、放送局と国会で圧力をかけた
4. プロバガンダ:政党交付金のうち5億円を宣伝広告に使い、橋下行政の実績を過大に認識させた

非常に大衆の心理をうまくコントロールしたと思います。
大阪都構想は、「これが最後です」と煽ったにもかかわらず、否決されました。
しかし、おおさか維新の会は、前言撤回して、再度、大阪都構想を実施しようとしています。

今後の動きに注目です。