大学の学生部へアルバイトを探しに行った学生たちは、奨学係のユウキからこう言われます。紹介されたアルバイトはいずれも奇妙なものばかり。
遺体の手を一晩中握る
病院のコンビニの棚卸し
犬のエサやり
作られた料理を食べる
庭の囲い外し
学生たちはあまり気乗りしないものの、アルバイト料に惹かれて、しぶしぶ働きます。
それぞれの仕事には、実は秘められた意味があり、その意味に気づいたときに、学生たちが抱えていた深刻な悩みにも影響を与えます。
人間の寂しさ、恨み、傷、心残りという心理がアルバイトで明らかになり、そして癒やされていく、面白い小説です。