2016年1月11日月曜日

819.「平和の敵 偽りの立憲主義」岩田 温

「この第9条の討論の中においてはっきりしたことは、すなわち自衛権をわが国が棄てたということである。自衛権がないわが国の民族、これの独立さえ棄てよということが、この条項の中にはいっている。われわれ共産党はこれに対して徹底的に反対した。」
野坂参三日本共産党第一書記 1946年12月17日 衆議院本会議

「憲法第9条を守れ!」と叫ぶ日本共産党ですが、実は日本国憲法の成立過程において、第9条に対して、「徹底的に反対」していたのですね。非常な驚きです。

そして、その主張内容「自衛権をわが国が棄てたということである。自衛権がないわが国の民族、これの独立さえ棄てよということが、この条項の中にはいっている。」は、保守派ですら言い淀むような正論です。

「この憲法の規定は、たとえどのような理屈をならべようとも、相手側から仕掛けてきた攻撃に対する自己防衛の冒しがたい権利を全然否定したものとは絶対に解釈できない。」
ダグラス・マッカーサー 1950年1月1日 「日本国民に告げる声明」

日本国憲法を作った側のマッカーサーですが朝鮮戦争を体験して、憲法の内容を失敗したと思ったのではないでしょうか。

マッカーサーの目論見は、日本を弱体化させ農業国にしてしまい、もはやアメリカに逆らう国などない世界で日本の防衛はアメリカが軽く賄えるということで非武装中立の憲法を作ったのではないでしょうか。

ところが、朝鮮半島は古来より、ロシアと支那によって狙われ続け、朝鮮は事大主義のため安定しないという地域です。

朝鮮戦争を指揮したことで、朝鮮半島の不安定さや危険さが身に沁みた分かり、日本に防衛力が不可欠であると思い至ったのでしょうか。