2016年2月11日木曜日

850.「大班 世界最大のマフィア・中国共産党を手玉にとった日本人」 加藤 鉱

日本の部品メーカーの中国工場の董事長である千住樹が、中国で幇を気づき、大班として成功するまでの波乱万丈の人生を描きます。

千住自身が日本に生まれ、いかにして生き馬の目を抜く中国で仕事を成功させる人材となっていったかが体感できます。

また、中国がいかにして社会主義市場経済を拡大させた、そして誰が得をしていったのか、その表と裏の実体にも触れます。

中国人と一括りにできない、地域ごとの民族性、どこまでもはびこり、決して無くなることのない賄賂、法律や契約では裁くことができない人間関係がよく描かれています。

この本を読むと、日本人として育った人間が、中国でビジネスを成功させることがいかに困難か、どれだけの日本人が赤子の手をひねるように金を巻き上げられたか、よく分かります。

中国がもはや、世界の工場でなくなった現在、工業化を急いだために自然が破壊され、急速に進んだ砂漠化が、この国を追い込み、死滅させることを予言しています。