2016年2月12日金曜日

851.「リバース」 湊 かなえ

ゼミの仲間で行った旅行先で、広沢が運転していた車が崖から転落し、広沢は死亡します。

3年後、旅行に行ったメンバー4人の周囲にそれぞれ、「◯◯は、人殺しだ」と名指しの手紙が届きます。

メンバーの一人、深瀬は、広沢の過去にさかのぼり広沢を深く知ることで、手紙の犯人を見つけようとします。深瀬は、広沢を知ることで、自分と広沢との関係や、自分自身の人間関係について深く洞察していきます。

手紙の犯人は割りと簡単に分かってしまうため、この小説は犯人探しではなく、人間の心情を味わう小説だなと思いました。そして、著者らしくはないものの、こういう小説もいいかなと感じました。

ところが、最後の一行でとんでもない謎が解き明かされ、やはり、著者らしいミステリーだったと気づきます。

「広沢の死の真実を知ってしまった深瀬は、この後どうするのだろう」と、想像するだけで恐ろしくなります。