金銭感覚が全く無く、欲しい物は我慢できない。お金を得るために体を売ることに全く抵抗がない。そうして、人気女優の地位を手にするが、スキャンダルにより芸能界から追われてしまう。
損害保険会社のエリート社員、斉藤はパーティーで有利子に出会い、一目惚れする。そうして、付き合うようになるが、有利子に貢ぐために、蓄えをあっという間に失ってしまう。お金が無くなった斉藤に対して、有利子は興味を失っていく。
そんな有利子をつなぎとめるために、斉藤は徐々に足を踏み外していき・・・
有利子のミステリアスさや、事件の不可解さをつくるために、篠田という第三者の目から見た事件を描いています。ただ、有利子についてもう少し深掘りが欲しかったです。何度も左まぶたの傷あとに触れられていますが、それが何を象徴しているのか、5歳まで修道院で育ったのに、なぜ当時からお金ある人に魅せられていったのか、など有利子の内面について知りたかったです。