タイトルにある「ふたり狂い」ですが、狂った人と一緒にいると、もう一人も狂ってしまう症状のことです。
様々な狂気の原因となった狂人は、非常に意外な人でした。
人気女性誌「フレンジー」に連載の人気連載小説「あなたの愛へ」がきっかけで、様々な人が壊れていきます。その壊れていく様をそれぞれの視点から描いています。
読んでいて「嫌な気分になる」というより、自分の「視点が狂っていく」という感覚です。
それにしても、著者の作品には、「心理的瑕疵物件」がよく登場します。そして、4と2と1を含んだ部屋も。偶然でしょうか。
読んだ後は、今自分が目にしている周囲の人達も、どこか壊れているのかもしれないという不気味さを感じます。