田上は村に住む高校生。近所に住む幼なじみの美少女・野口に好意を寄せています。
野口は頭もよく、クラスの優等生グループに属しています。生まれつき右足に障害があり、びっこを引いています。
田上は、ある夜、野口が男とホテルから出てきたところを目撃します。その後、何度も。野口は次々と男に体を預けるヤリマンでした。
大型スーパーとラブホテルしかない、田舎の”村”。噂と陰口に満ちた村に住み、障害ゆえに村に縛られる少女と絶望。その絶望に自らの体を傷つけることで復讐することしかできない閉塞感。
村に縛られた人々は、村を捨てきれず、逃げることを諦めます。
著者の講演で聞いたのですが、「負け逃げ」は「勝ち逃げ」の対語として付けたとのこと。
負けて逃げても生きる道はあるという救いの道でしょうか。