2016年8月4日木曜日

982.「読書は格闘技」 瀧本 哲史 集英社

著者による、非常に高度な読書感想文といった感じです。

「読書により、著者と架空の議論をし、自己の思考を高める」という内容を予想していましたが、違いました。

著者が選んだ、ある本質的なテーマを持つ本について、著者の広範囲な知識で解説がなされます。そして、そのテーマに対する捻った観点から見た意外な書籍が提示され、2つの本が対峙されます。

こういう読み方をして思考の幅を広げなさいというテーゼのようです。

しかし、本書の2つの書籍の選び方は、著者が過去に読んだ多くの本から抽出された、いわば帰納法のような話なので、何もないところから、2冊を選ぶという演繹法のような読書は難しいと感じました。